必ず回避しなければいけない「黒字倒産」について
表面上は順風満帆に見えても、ある日当然倒産してしまう企業があります。
それは「黒字倒産」が原因かもしれません。
黒字倒産とは、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず、手元に現金がなくなってしまったことにより引き起こされる倒産です。
これから入金される予定のお金があっても、手元の現金がなくなり、借入金の返済や仕入れ代金の支払いができなくなることにより引き起こされます。
黒字倒産を回避するためのポイント
ビジネスは上手くいっているにも関わらず、ずさんな資金繰りが原因で会社を倒産させてしまっては、悔やんでも悔やみきれません。
そのような悲劇を引き起こさないためにも、黒字倒産を回避するための5つのポイントを抑え、資金繰りを健全な状態に保ちましょう。
掛け代金の管理を徹底する
「掛け代金」とは、支払いや受け取りを先送りにしている代金のことです。
身近なものでは、クレジットカードのシステムが挙げられます。
黒字倒産の最たる原因は掛け代金の管理がずさんになっていることにあり、これまでに入るはずのお金が計画通りに入らなかったために倒産してしまう企業は多数ありました。
とくに売掛金(売上の未払い金)の入金日は会社の生命を左右するので、しっかりと計画的な入金サイクルを確保しつつ、可能な限り売掛金そのものを使わないようにしましょう。
在庫の管理を徹底する
黒字倒産に陥らないようにするためには、現金だけでなく「在庫」の管理も徹底しなければいけません。
なぜなら在庫は購入した時点で勘定科目の「資産」に計上されるからです。
そのため、帳簿上ではマイナスが発生していない記帳が行われます。
しかし実際は仕入れの際に現金を失っているので、手元から現金がなくなっている事実には変わりありません。
そのため在庫をいたずらに増やせば、ゆくゆくは返済や仕入れのための資金がなくなり、黒字倒産してしまうのです。
決算書類を厳重に管理する
決算書類とは「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」「損益計算書」などの書類です。
とくにキャッシュフロー計算書と損益計算書にズレがあると黒字倒産を引き起こしやすいため、日頃から丁寧に記帳しておきましょう。
資金調達の手段を多数持っておく
万が一の事態に陥った場合、窮地を救ってくれるのは資金調達方法の多様さです。
資金調達手段はたくさん用意しておきましょう。
とくに増やしておくべきなのは、即時性の高い資金調達手段です。
「ファクタリング」などの現金化手段をいくつか抑えておくことをオススメします。
銀行との関係を深めておく
最終手段ではありますが「銀行との仲を深めておく」という積み重ねも大切です。
銀行への返済がどうしても遅れてしまう場合、普段から信頼を獲得しておくと「リスケ」への対応を柔軟に行ってくれる可能性があります。
黒字倒産は事前に防げる
黒字倒産は予期せぬ事故として認識されていますが、日頃から管理体制を整えていれば防げます。
今回ご紹介したポイントの中で不安な要素がある場合は、1度本腰を入れて見直してみてはいかがでしょうか。