ファクタリングとは
ファクタリングとは売掛債権を譲渡して現金化する資金調達方法です。
法人など企業と取引する際は、月末締めの翌月末払いなど売掛金にして一括で支払うのが一般的です。
クリニックや薬局、介護施設など公的保険適用の報酬債権やクレジットカード決済になると翌々月、建設業になるとさらに売掛サイトは長くなります。
本来は数ヶ月先に入金される売掛金を銀行などの金融機関や専門業者に売って早期現金化を行います。
ファクタリングによってルールは変わりますが、一般的に売掛金の80~90%が掛け目になり、そこから手数料を差し引かれます。
契約内容によって本来の入金日では直接ファクタリング業者に入金させたり、一度入金して即座にファクタリング業者へ送金する流れになります。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリング
簡単にまとめると
- 2社間ファクタリングは取引先に内緒で資金調達をするもの。
- 3社間ファクタリングは取引先からの同意を得て債権譲渡をする契約
です。
当然、3社間ファクタリングの方が手数料は安くなります。
欧米ではファクタリングが広く普及していますが、日本では認知度が低くてファクタリングを利用することをネガティブに捉える会社が多いです。
強引に3社間ファクタリングの交渉をして受け入れてもらえても、信用を落として取引量を減らされたり切られるリスクがあるので注意しましょう。
クリニックの診療報酬債権やクレジットカード債権など、売掛先が正しい申請や売上請求をあげれば支払い拒否できないようなものや、建設業など昔から手形取引を扱っていたような業種で3社間ファクタリングを使われるケースが多いです。
一般企業と付き合う場合は2社間ファクタリングが一般的です。
また、ファクタリングはノンリコース(償還請求権なし)の契約方法が主流です。
ノンリコースにする事で売掛先が破綻してもファクタリング契約者が弁済する必要はありません。
売掛先の信用が低い場合でも安心して取引できて、大手が小規模業者と取引する時に需要もあります。
ファクタリング業者の種類
大きく分けると以下の2種類に分類されます。
- 大手、金融機関系 (銀行ファクタリングや上場企業や関連会社によるファクタリング)
- 民間ファクタリング (専門業者、資金コンサル業者など)
大手と金融機関は3社間ファクタリングが中心で、大口取引や安い手数料での債権買取を得意にしています。
民間ファクタリングは2社間ファクタリングを扱っている業者が多く、売掛先の信用があれば、創業間もない会社や赤字決算、税金滞納中で利用できる所が多いです。
ただし民間ファクタリングは全般的に手数料が高くて、貸金業の登録などファクタリング業務を運営する規制がないため悪質業者も多いデメリットがあります。
ファクタリングのメリット・デメリット
メリット
- 創業直後でも利用可能
- 税金対策をできる
- 融資、補助金の審査に影響しない
- 融資に比べて資金調達まで早い
- 3社間ファクタリングなら手数料が安い
- 2社間ファクタリングなら取引先に知られずに利用できる
- コンサル業務も同時に依頼できる業者がある
- ノンリコースなら売掛先の破綻や回収をめぐるトラブルを回避できる
デメリット
- 融資に比べて手数料が高い
- 入金月に資金難になれる
- 契約内容や利用状況によって継続利用を求められる
- 簡単に参入できる業界なので業者の見極めが重要
ファクタリングを利用する時は業者選びが重要です。
優良業者であれば、ファクタリングのデメリットを丁寧に説明してくれて無理な利用を斡旋しません。状況に応じて融資とファクタリングを使い分けるとよいでしょう。